香草と魚

 

香草を手でちぎって料理するのが好き。

しばらく爪、指先にその香りがいつまでも残るのが好き。

懐かしくて、知っている香り。

それは、母の手の香り。

真っ赤なネイルで、

お料理をして、お庭の草やお花を面倒見たその手で

頭をなでてくれた、ぬくもりの香り。

 

 

だんだんと母の手に近づいたと気がついた日。

草を、わっしゃわっしゃ。食べたくなって、作った一皿。

 

(塩に漬けていたレモンを刻み、香りのある草を色々ちぎって、焼いた鱈にのせて。)