趣はルールの外に

法不定法
忘情心手
趣在法外。

手段に捉われのなきように。
念頭も心も忘れ、すべてを置く。
趣はルールの外にある。

お茶に出会うほどに
解放されてゆけたらいい。

私のお茶を飲む人は
「淡いお茶淹れるんですね」とか
「濃い目のお茶が好きなんですね。」と言う。
皆それぞれに先入観を持って飲む。

お茶は生き物だ。
毎日違うコンディションを持つ。
そして、そのお茶が人の心を打つ茶湯になるのにも、飲む人数、空間の大きさ、天気、気温、湿度、お水の味、色んな条件を肌で感じながら、
淹れ方を決めていく。

器を選び、
茶葉の量を変える。
淹れるスピードを変える。
お茶の目覚めさせ方を変える。

時には淡く深く、
時には濃く力強く。
心を揺さぶる味は一瞬一瞬違うものだ。

自然のものを手にする時、
自分も自然の一部に溶け込まなければ茶は目覚めない。

だから

法不定法
忘情心手
趣在法外。

お茶を習う時には、
前言っていた事と違う!
とよく混乱されます。
でも本質は筋道が通っているはずです。

捉われのなきように、
お茶と遊べ。